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~ その6 結構毛だらけ猫灰だらけ。オタクの周りは**だらけ ~

……ね、うるちクン。このコーナーって今日で六回目よね。ということは
始まってからもう六週間が経つのよね。

ああ、まあそういうことになるな。


ってことはさ、クリスマスも冬コミもお正月も、川寺サクラモチ大会も終
わっちゃったのよね。ってゆうかわたし、談義だの怨霊退治だので出動し
てばっかで、結局一つも楽しめてないンですけど。

アニメばっか見て修行もしてねえけどな。そうこうしてるうちに、大事な
時間も過ぎちまうンだ。


光陰マジ矢のごとしよね。侮れないわ。

それはそうとおまえ。膝の上のそれ、どーするンだ? 来るなり爆睡しち
まってるみたいだが。

そおなの。シンフィーさんたらゆすっても起きないのよ。わたしもひざま
くらしてるの、疲れた。ホント、どーしたのかしら。

どうもこうも、アクアのヤツが言ってたじゃねえか。寝てばっかだって。

あ、まあね。まあ、わたしは一向にかまわないンだけどさ……

くー、くー、すぴー…………んゆう、ごろごろ。

ううう、なんなのこの生きもの。ちょー可愛いんですけど!
ね、このケモミミ、すっごいのよ? ほら、もーふわふわ! オタクの永
遠の憧れよね。うるちクンもちょっと触ってみなさいよ。

い、いや、オ、オレはよしとくよ。

は? なに照れてンのアンタ。 耳よ? お尻触れって言ってンじゃない
のよ?

いいって言ってンじゃねえか。に、人間のおまえなんかにゃワカんねーよ。

なによそれ。人間で悪うござんしたね。そンならいいわよ、わたしが触り
まくっとくから。 うりゃうりゃ、あははは! みてみてうるちクン。シンフィーさんの耳、ぴくぴくするわ!

んにゅう~……くすぐったい…………ですわ。 くー、くー……。

おいよせよ。寝かせてやるならちょっかいなんか出してンじゃねえ。

んな、なによぉ。アンタなにムキになってンの? わかったわよ。それなら視覚と嗅覚でじ~っくり愛でちゃうもん。いいわよ。

……へ~、こーなってンだぁ。然るべきところになくても、案外違和感な
いモンなのねぇ。

眺めてるだけならいいが、嗅ぐなよ。

時にうるちクン。

なんだね。

アンタさっき修行してないとか言ってたけど、こないだしたわよ。護符九
断陣。モトヒトくんに教わった。

モトヒトぉ? ミヨシのコセガレか。どーしてあンな三下ヤローに。

あ、ヒドイ言い方。なにうるちクン。モトヒトくんのこと嫌い?

ナヨナヨしてンじゃねーかよ、男のクセに。 ん、まあそりゃいいや。そんで? それでどーしたンだね。

ああ、論理は解ったわ。それに魔法少女にはちょっと向いてないってこと
もね。なんてゆーか地味なのよ。護符で呪陣を組んで妖異を捕まえるなん
て。そんなことするより、見つけ次第切り刻んじゃったほうがいいと思う
のよね。捕まえてから浄化するなんてまだるっこしいしさ、そもそも妖異
なんて捕まえとくモンじゃないでしょー。

前から思ってンだけどよ。ミヨシの家はさ、なんか企んでンじゃねえのか? とっ捕まえた妖異を九条にけしかけて、いつか陰陽頭(おんみょうのかみ)
を乗っ取ろうとか。

まさか。モトヒトくんにそんな器量ないわよ。それにそのあと、一風カフェ
でおしるこデートしたし。

デートねえ。どうせアレだ。また一方的にアニメかなんかの話でもしたンだろ。

う。だってモトヒトくんたら、魔法少女が古いとかヌカしてンのよ? あ
りえなくない? キュウリみたいなカオしてなにのたまっちゃってンのか
しら。ってゆーか陰陽師に言われたくないわよ! 終いにはわたし、テー
ブルにお金叩きつけて帰ってきちゃったわ。どかーんって。

おしるこもぶちまけてかね。

まあね。不可抗力よ。

なにが不可抗力だ。おまえのほうがよっぽどモトヒトにヒデエじゃねえか。

そんなことない。別に嫌いじゃないし。 それよりアンタはどうだったのよ。全国式神博覧会。お父さんと行ってきたんでしょ、わたしの使い魔のクセに。

使い魔いうなっ! ……あ。

うにゅう~~……んゆ? ……ふにゅ…………くー、くー……

ちょ……アンタね。おっきな声だしたらダメでしょ。シンフィーさんいま
一回、目開けたわよ目ぇ。

あ、ああ、面目ない。

気の短い犬よね。 んでなに、なんかいた? 可愛いのとか、カッコいいのとか。

ああ、それがな。けっこう竜がいたンだよ。去年から流行ってるなんて聞
いてたけどよ、あれは本当だったんだなァ。いや、みんななかなか大した
もんでな、オレなんかほれ、ちっぽけな犬っコロだろ? そりゃもう肩身
が狭かったぜェ。アイツらの半分でもカッコよくこさえてもらえてたら、
また違ったンだろうけどなァ。

なによ。アンタだってずいぶんモテてるってハナシじゃないの。小学生と
か幼稚園児とかに。

それを言ってくれるなよ。おかげで交通安全のマスコットにはされるわ、
ガキどもに見つかりゃ撫でられまくるわ大変なんだぜ、プライド的に。
こう見えて中身はすげえダンディなんだからよ。

しっかり愛されてンじゃない。ヘンにスカしてるより、そっちのほうがい
いわ。少しは感謝しなさいよね。わたしがそういうふうにこさえてあげた
ンだから。

オレも竜がよかったな~。

わたしはトカゲとか嫌いなの。

は~……。

………………………………………………………………………………

くー…… くー…… くかー…………

んふふ、かあいー。 ……ね、それとって、うるちクン。

どれ。

それよ、その下の雑誌。宮塚ぶらぶらだより。

これか……ほら。

ありがと。 ……ね、今日どーする? 談義終わったらどっか行く?

なんだかもー談義になってねえけどな。それにその……そいつ。まだ寝て
ンじゃねえか。

そいつじゃなくてシンフィーさんよ。……ってゆーかさ、アンタさっきか
らなに浮ついてんの?

べ、別に浮ついてねえよ。なに言ってンだおまえ。

あ、シンフィーさんのこと気になってンでしょ。ホントは耳触りたいンだぁ。

ちげーよ。オ、オレはただ、ただそのぉ……匂いはどんなもんかなァと……

くんかくんか。……やば、すごいいい匂い! なんだかお花みたい。

あ~~~おまえっ! かか、嗅ぐなよっ、気色悪いヤツだな!

ほら、またムキになって。アンタへんよ? なに、恋でもしちゃった?
シンフィーさんに。

……してねえヨ。いいから黙って雑誌でも読んでろ。

じゃ、アンタはそこで一人で丸まって妬いてれば~。

………………けっ。

ヘンな犬。……あいたたた、脚しびれてきた。……んしょ。

……………………………………

……あ、ディアーナのパンプス特集やってる。あーそっか、そーよねー。
もうすこししたら夏だもんねえ。欲しいなあ。

まだまだ冬まっ盛りで、そん次は春だ。

女のコの季節は二つなの。冬の次が夏で夏の次が冬。開くか閉じるかなの
よ、お花みたいに。

ワカんねえ。

わ、グランダもいいな。えと、ポップトップ? あ、これラバーパンプス
かぁ。それだとちょっと合わないかな。……あ、グランダってマリッサの
姉妹ブランドなんだ。なるほどなるほど、どーりで。

ハキモノなんざ下駄がありゃ十分だろ。

なに言ってンのアンタ。ちょっと街出てみなさいよ。今どきぽっくりゲタ
履いてぽっくりぽっくり歩ってるのなんて陰陽師だけよ? 時代錯誤って
ゆーか、バック・トゥ・ザ・フューチャーよ!

だっておまえ、買っても履かねえじゃん。

……履くわよ。なに言ってンのよ。

ああ、そうか、ごめんな。おまえ似合わねンだよな、そーいうの。

うっさいわねェ。わたし自身には似合うわよ。いけないのはこの浄衣でしょ、
浄衣ェ。アンタ黙ってなさいよォ。

いやいや、別にダメだって言ってんじゃねえさ。おまえはぽっくりゲタ履
いたって、ちっとも変じゃねえって言ってンだ。

そんなカラダに誰がした~~~~っ! って言いたいわよ。このぉ。

つつくな。お、こら、痛いって……

ふにゅー……だ、だれがしたぁ~~……くふひひ…… ……
くー、くー、すぴ~~…………

ああシンフィーちゃん、ごめんねごめんね。 そおでちゅね~、わかってくれるのはシンフィーちゃんだけでちゅね~。
おーよちよち。

おまえね、お姫さんだよ? 妖精の国の。

だって可愛いんだモン。もうね、どーしよっかな。
思い切って、食べちゃおっかなァー。

んな、なにをそんなおまえ……い、いやらしいなァ。

なに妄想してんのよ。いやらしいのはアンタの頭ん中でしょ。冗談に決まっ
てンでしょーが、冗談。
……でも、少しお腹空いたのはホントかもね。ちょっとアンタ、そこのコ
ンビニ行ってお菓子でも買ってきなさいよ。

どーしてオレが。

どーしてって、わたしヒザマクラしてんの。動けないの。早く行って来てよ。

ヤだよ、めんどくさい。

あ、なによアンタ、使い魔のクセになに逆らってンのよぉ。

使い魔じゃなくて式神だ! それにオレは腹なんか減ってねえ。

うっわ性格ワルっ。なんなのアンタ、お父さんの言うことはなんでも聞く
クセに、どーしてわたしにはそー反抗的なのよぉ!
お菓子お菓子お菓子ぃ~……

あと金持ってねえ。

む~~~っ! ……ンじゃいいわよ。わたしも帰りの電車賃しか持って
ないし。仕方ないから宮塚グルメ情報でも読んで我慢するわよ。

切ないねえ。

……あー、一兆のラーメンだぁ。ここ、微妙なゆず風味がいいのよね。
いーなあ、食べたいなぁ。

そこ、店閉めたろ。

お。コックルージュのガレットだ。ホワイトチョコがめちゃウマなのよこ
れ。あ~ん、食べたい~っ! ……あ、これ新作? ラムレーズンロールぅ?
……はわ、帰ったらこれ、二つ注文しなきゃ。あとでURLメモっとこ。

そういやおまえ、昨日サクラモチの箱持ってたけど、ちゃんとしまってきたか?

あ、しまった!

しまった? どっちなんだ?

てへへ、オコタの上に出しっぱです。

なんだ、また誰かに食べられちまうぞ。

ああ、まあいいわよ。どーせコンビニのだし、今食べたくないし。 それよ
りこれ見て。カゴミヤの納豆定食だって! これ美味しそうじゃない? 
わたしこれ、すっごい食べてみたいンだけど。明日とか行ってみない?

魔法少女が納豆かよ。

え、タマゴかけご飯はダメだと思うけど、納豆はよくない?

犬に納豆はキツイ。

あ、このお店四本松通りなんだ。そしたらウチの隣の地区じゃん。帰った
ら行けるかも。ね、今何時?

お、そういやもう四時か。こりゃあ帰りの電車込むなァ。

ってことは帰ったら五時ね。よし、行ける。うん、そうしようるちクン。
ついでに地球堂によってペン先とインクも買っちゃおう!

……あ、でもシンフィーさん、どうしたらいいかな。

起こすよりないだろ。連れてくわけにもいかねえし。

いいンじゃん、連れてっちゃっても。なんだか二、三日抱いてたいンですけど。

バカ言え。お姫さんなんかさらったら、大変なことになる。

さらうだなんて、なに言ってんのよこのワンちゃんは。 ねー、シンフィーちゃん。シンフィーちゃんだって、ウチに来てみたいでちゅよね~。

くかー、くかー……ごろごろ。

だからそれよせよ。なんだかアホみてえだぜ。

あ~ひど! アホってなによ。主人に向かってそーゆーコトいう!?

ああ言うさ。耳に障るようで恐縮だがね、オレは特に主人想いなんだ。 おまえね、もう少しまともな話をしろよな。納豆だのゲタだの、さっきからぐだぐだぐだぐだ、もっとあンだろ、言うべきことが。TWの裏設定とか新着情報とか、もっとこう読者が知りたがるような、そーいう話をする場だろ、ここは!

うっさいわねぇ。アンタなに威張ってンのよ! わたしだってね、それが
出来りゃ苦労しないの。出来ない理由ってモンがあるから、毎週毎週アレ
コレ考えてンじゃないのよ!

なんだねそれは。

は。いろいろあンのよ。初出の問題とか立場とか。情報もスチルも絵も公
式が最初なの。つまり公式が更新されない限りこっちはなんにも出来ない
のよ。大人の事情ってヤツ。

お、大人って、それにしたっておまえ、もう少しなんとかしなきゃダメだろ……。

わたしの与り知らないトコロよ。
ってゆーかそれ以上しゃべるな。しゃらーっぷ。

だからそーやってふざけてちゃ……

しゃっと・あーっぷよ、うるちクン。今はこれが精一杯なの。

……ワカった。出過ぎてすまなかったな、サクラコ。

わかりゃいいのよ、わかりゃ。実を言うとわたしも疑問なんだから。果た
してこのコーナーはこんなんでいいのかと。

いや、とにかく頑張ろう。頑張ったあとには必ずいいことがある。 生ぬるい視線なんて、もう気にしねえ。

そおね、じゃあ一つだけ教えてあげるけど……。

ねぉ!ではね、追加されたカードを上手く使うとすっごいスコアを叩き出
せるわよ? でもそのためにはカードを買う順番や使う場所を新たにパター
ン化する必要もあるわね。敵配置も変わってるし、特にBOSSシーンでの使
いどころが増えてるからね、もう一度基本に立ち返ってよ~く考えてみな
いとだめよ。とにかく、TWなんてACで極めた! だなんて思ってると大間
違い。新たなスコア伝説に向けて今から予習しとくといいわ。

ほ~、そりゃ面白そうじゃねえか。

そりゃ面白いわよ。ちょ~アツい! ちなみに今のハイスコアはわたしね。わたしは稼ぐわよ~。

頼もしいね!

あ。あとわたし巫女じゃないから。

なんだ、急に。

なんかいろんな人に間違われンのよ、巫女キャラって。だから言っとこう
と思って。

まあ、そのテのカッコしてれば仕方ないんじゃねーの。

ぜんぜん違うモン。わたしのこの浄衣はね、もっとこう華やかに、花魁ふ
うにしてって頼んだの。舞妓さんとかと間違われるンならともかく、巫女
は違うわ。

それに傘持って飛んでるでしょ? あれはね、とある煙突掃除屋さんのリ
スペクトなの。だってあれ、すっごい可愛いんだもの!

え、そうなのか? 刀に番傘とくりゃ修羅雪姫じゃねえのかよ。
……カジメイコの。

アンタね。そりゃいくらなんでも血なまぐさいでしょうよ。
ってゆーかわたしのこと、そんなふうに思ってたンだ……。

……くぁ……あふぅ、ふにゅ。 くー、くー…………………………