皆さんこんにちは、こんばんは、おはようございます!
今週は年末特別編のよれちょふなは、司会はいつもどおりのヨーコ・レッドスターがお送りいたします!
おはようございます、マイケルです。
いや~ヨーコ、今日は元気そうだね~。こないだはだいぶ機嫌悪かったから、今週もどうなんだろなーとは思ってたんだけど。
いひひ、おはずかしい! なんかホント、怒ってたよね私。
ヤなこと言われて頭に来たのは確かなんだけど、いま思えばどうしてあんなに反抗したのか不思議なくらいですよ。
きっと虫の居所が悪かったんだとは思うけど、ほんと、私ったらどうしたのかしら。
悪かったか? 夕飯まではいつもどおりだったように思うけどなあ。
そおなの。だからよく思い出せないンだけどね、でも私にはたった一つ、この世で絶対に許せないものがあって、たぶんそれのせいだとは思ってる。
なにそれ。鍵のかかっていないトランク?
あんたよくわかんないこと知ってるねー。まあいいんだけどさ、ぜんぜん違うわ。
まさか冷えたブリヌイ?
ピーマンよ! ごはんにおひたしのピーマンあったでしょ。
私、ピーマンだけはダメなのに、ママったらあんな山盛りにしてさ。キライだってわかってるくせに、どうしてあんな意地悪するかな。
え、そうなの? ピーマンいつも真っ先に食べてるじゃん。好きなのかと思ってたよ!
早く視界から消しちゃいたいからよ!
……って、待って待って。今気づいた。まさかママもそう思ってるのかな? 私がピーマン大好きって、もしかしてそんなかんじ?
そんな感じだよ。だってあの日もヨーコ、ピーマンだけ食べてったじゃん。ママ感心してたもん。あれだけ怒っても、やっぱりピーマンだけは食べてくって。
ピーマンだけ食べたかったんじゃない~! そこでケンカになってピーマンしか食べられなかったの!
ってゆーかすっごい誤解。これじゃまたピーマン山盛り出ちゃうじゃん。
ママ、なんだかんだ言ってヨーコに甘いからな。
や、やっぱりちゃんと言おう、ピーマンきらいって。
言ってないのかよ。
だってせっかく作ってくれてるのに悪いじゃん。
それでどうしてママが知ってると思ってるのか疑問が残るけど、それはまあいいさ。
で、いつまでピーマンのハナシ? もしかしてまだ続く?
おうふ!?
……にひひ、ダメね私ったら。今日はね、いろいろ振り返ってみようかと。もう年の瀬だからね、そういう感じがいいんでないかと!
振り返るって、なにを?
トラブル☆ウィッチーズの歴史よ? それも開発の方面からいろいろと。だってもう長いのよね、このシリーズ。
だね、ボクらは一番の新参さ。
そうそう。元祖となるWindows版が出たのが2007年の夏コミでしょ。それからもう16年が経つわけだけど開発はまだ続いてる。実はとっても息の長いシリーズなのよね。
16年前じゃ、ヨーコは0歳だ!
マイケルはまだ生まれてない。
で、先週は当時のことをいろいろと取材してきたのです! まず、どうしてトラブル☆ウィッチーズ……あ、以降はTWって言うけど、どうしてTWを作ることになったのかといいますと……
いいますと?
請負ばかりの状況に嫌気がさしたからだそうです!
いやけ! いいの? そんなこと言って。
あ、ごめん! 「疲れ」だったかも。
もう遅い。
そのときはもう、シエスタお得意のドットのお仕事がたくさんあったみたいで、それでもう毎日毎日ドット打っててメンバー全員が疲弊してたと。
さらになんか当時、とあるPCゲームの制作依頼があったんだけど、それがもー仕様もシナリオもぜんぜん出てこないちょっとヤバくてアレなお仕事で、なんとか出たのはいいとしてもみんないろいろとイヤンなっちゃてて、そんなダーク&人間不信な状況をとにかくどうにかしたくて、それで好きなゲームを作ろう、ってことになったんですね。
好きなゲームね。そう言ったってシエスタは、その前にも好きなゲームばっか作ってたじゃん。
それはメンバーが会社を辞めてすぐの頃だったんだけどね、でもきっとその頃の、あの自由さに戻ろうと思ったのよね。二次創作の同人ゲームサークルだったけど、どうせ苦労して作るなら、今度は商業も目差せるようなこだわりのオリジナルのゲームだ! ってことで心機一転、始まったのがTWってわけなんですよ~。
そういうノリ、なんか希望的でいいよね。
……請負だけだとどうしても不安定になりがちだから、という理由も強かったみたいです。
意外と世知辛かった。
それはともかく、初代TWの開発が始まったのが2005年だったか2006年だったか。
だったかってなにさ。
発売が2007年なわけだけど、2005年は確かに別のお仕事してたし、2006年だと開発期間が一年ちょいということになって、シエスタがそんなに早くゲームを作れるわけがないから、なんかもうよくわかんないんだって。
よくわかんないのはこっちだ。
いかにも同人だけどね、でもその間にもいろんなお仕事してファイナンス維持しないと、制作は継続できなかったということで、それで記憶が曖昧なんでしょう。
TW開発期間中はなにしろ、本業サイドは一年で10タイトル以上のドット絵グラフィックのお仕事を受けてたとのことです。
最低限とはいえみんなのお給料も必要だし、事務所の家賃も光熱費も安くはないし機材費、製造費も併せて総製作費は1,000万円前後だったとか。
赤裸々! まあでもかかるもんはかかるよね。
意外とちゃんと考えられてたことに驚きですよね。
でもそうやってしっかり維持すべきものを維持してみんな頑張って作ったおかげで夏コミでは完売、その後の発注も思ってたよりもたくさんあったそうで、TWは次のフェーズへ進みます。
次のフェーズ?
アーケード化です。
アーケード!
そう、アーケード。TWには自社コンテンツ獲得のほかにもう一つの目的があって、それがこのアーケード化だったんです。
タイトーさんのType-X2ですね。素晴らしいシステムだと予々思っていたそうです。
ただ、目的といっても営利的なことではなく、どちらかといえばゲームセンターに自分たちのゲームを出してみたかった……という野望的な意味合いが強く、ソフトの売り上げはすべてそのための制作費に回す、ということも含めて、ぜんぶ最初から決まっていたことでした。名付けてTWACプロジェクトね。
強気というか向こう見ずというか。ちょっとフツーじゃないかも。
そう、フツーじゃない。だからコミケが終わって次の週にはもうタイトーさんへ電話をかけ、それで打ち合わせまで決めちゃったとか。
メールとかでもなく電話。
こういうお話は直接したいんだそうですよ。急な申し出にもかかわらず、タイトーさんもほんとに親身にお聞きくださいまして、おかげさまですぐにパブリッシャーさんも決まりまして、トントン拍子で進んで行ったそうですよ。
ありがたいことですね。
で、最初はType-X2の予定だったんですけど、でも当時、ゲーセンの花形はやはり格闘ゲームで、Type-X2だとSTGを動かしてくれるお店も少なかろうということで急遽、Type-Xでの稼働ということになったのです。
もちろんそれは正しかったしそれでよかったのですけど、でもスペック的な問題ですべてのテクスチャをフルカラーから256色に落とすなど、それなりの苦労も伴いました。
さらにPC版との差別化のために新キャラ4種……いわゆるセカンドフォーの追加、敵キャラについても大幅に追加するなど、移植作業のみならず、開発規模はどんどん大きくなっていきます。
わかる。せっかくの機会なんだから、自分たちのためにもお客さまのためにも、出来るだけいいものにしたいもんね。
シエスタの悪いクセです。
そういうこと言わない! 夢なんだから仕方ないじゃん!
そう。誰もがそういうヤル気と希望に燃え、完成や間近と目を輝かせていたまさにその時、アレが起きたのです。
アレ? あれとは?
リーマンショック。世界規模の金融危機!
まぢかよ……。
まぢ。リーマンショック自体はWikiでも見てもらうとしてですね、これがゲーム業界に与えた悪影響は絶大でした。
ただでさえ冷え込んでいたアーケード業界は氷の底に閉ざされ、多くの企業が多大な被害をこうむり、それはシエスタにも例外なく猛威を揮ったのです! まさにトラブル!
トラブル☆ウィッチーズ!
実際、関連諸氏からはタイトル変更案も出たそうよ。トラブルっていうのが縁起がよくないんじゃないかって。
実際、それくらいの影響は出たみたいで、詳しくは言えないけど、入ってた予約がほとんど白紙に戻ったとかそうでないとか。
だから幻の基板になっていると。
そういうこと! それどころか請負の仕事もいろいろと幻になって消えちゃって、シエスタ的にもあの時はもう、いよいよダメかもしれないというところまでお金がなくなったみたい。
それでもパブリッシャーさんと一緒に抱いた固い決意でTWACはなんとか完成、翌年となる2009年に販売をすることになるんだけど、まあ、どれだけ売れたのかはもう皆さんご存じのとおり……。
今となっちゃ懐かしい……なんて言ったら怒られるか。
そんなことはないんじゃない? だってゲームセンターにはちゃんと出たもの。
開発者の高校生のころからの夢だったAOUショー出展もしっかり叶ったし、それが死ぬほど嬉しくて、苦しかった時のことなんていっぺんに忘れちゃったみたい。
ふうん、そうなんだ。そういうもんか。
ホント、そういうものかしらね、夢がかなうって。それにね、AOUではいいこともあった。出展期間中になんと、別のパブリッシャーさんからコンシューマー移植のご提案も頂いたの。
これはもう、思ってもみなかったオハナシで、TWACスタッフの続投も決まってみんな大喜びだったのです!
いやーよかった! まさに拾う神! ほんとによいことだ!
でもシエスタはまたやらかします。
やめろよ~!
かくしてXbox360への移植が始まるわけですけど、これがまた嬉しすぎたのみならず、PFのスペック的な向上もあいまって、今度は背景をポリゴンにしようとか言い出します。
で、そうなってきますとこれまでの資産もそのまま使えるわけではなくなり、おまけにあれやこれやと追加のハナシがどんどん出てきまして、かてて加えてそれをぜんぶやることになるという。
同人だ。まさに。
まあ、それがシエスタのいいところでもあるんだけど、おかげでグラフィックはすべて作り変え、プログラムはフルスクラッチとなり、TWACまでの資産はほとんど受け継いでません。新たに作り直したといってよいでしょう。
当然開発費用は膨らみ、これがまた苦しくないかといえばぜんぜんそうではなくて、とある大手コンテンツホルダーさんの大型タイトルのグラフィック案件との並行開発だったので経営はなんとかなってたものの、今度は年中寝不足になっていたとか。
業界で生きていくのは楽じゃないな。
そっちの大型タイトルも実はすっごいんだけどね、でもそんなこんなで開発は粛々と進み、かな~りいいものが出来たということです。
パブリッシャー様がものすごくこだわってデバッグに力を入れてくださいまして、細部にわたるまで作りこめたし、その甲斐あって満を持して完成、2011年の4末の発売時には本当にたくさんのユーザーさんに楽しんでもらえました。
開発陣としては当時、世界中からいろんな反応を得られたことがなにより嬉しかったようです。
なかったもんね、そういうの。
そうだよね。いまじゃネットで海外のゲームもなんだってすぐ買えるけど、そういうのがなかった当時としては、これはものすごく画期的なことよね。
TWが意外に、海外ユーザー様からの支持が篤いのも、こういったオンライン配信をこのタイミングで出来たからだよね。
そう、いろんな意味でターニングポイントなの。ところで余談なんだけど、360版のタイトルである「トラブル☆ウィッチーズねぉ!」の「ねぉ!」は、開発が終了する間際にパブ様につけて頂いたものなのです!
あ、そうなんだ。
だから開発コードも最後までTWのままだったし、TWNってなったのは、実は発売後なんだよね。開発陣でもいろいろ考えてたみたいなんだけど、でもなんかいいのが出なくてずっと悩んでたんだって。そんで途中まで候補だったのが「カーニバル!」。
カーニバル……それってどこかのおジャ魔のアレみたい。
実際そう言われ続けて、最後にボツになったという。ロゴ案まで出来てたんだけど、でも「ねぉ!」って言われて満場一致でしっくり来たんですって。
ボクも一致した。
あとサクラコさんとリュッカさんよね。サード2キャラと言われてるけど、あの人たちのスケッチは東大宮のトンカツ屋さんで出たとか。
なんでトンカツだよ。
ディレクターとプランナーがトンカチックディナーしてるとき、突如ビビビッて降りてきたみたい。なんかプランナーのほうが魔砲少女がすごく好きで……
ちょっとまて。魔砲少女ってなに?
いるのよ、そういうリリカルな大先輩が。
それでプランナーがそのアニメのハナシばっかりするもので、それを年中聞かされていたディレクターがそれだ! と。新キャラはオタクの女の子で魔砲少女になりたいんだ!
ということで、そうなったんだって。
陰陽師設定は?
オタク=日本+強い=陰陽師
ですって。ソフトパワーってやつね。
そうだろうか。適当なんじゃないだろうか?
で、その勢いで「ヤンデレ悪魔」っていうのも一気に決まったみたいよ。リュッカさんね。もう、ドラウプニールが辟易するような話にしようと。
その勢いってなんだ? よくわからないぞ、ゲーム屋の考えることは。
確かに。でもそれ以来、なんか決める時はとんかつ屋に行ってたとかそうでなかったとか。
それはさすがにハナシつくってるでしょ~。
どうかしらね。おかげで胆のう炎になって取ったとか言ってた。
やめてやめて、痛いから……。
とにかくTWNは一定の成功を収め、シエスタはようやくなんとかなります。世界中の人からおたよりまでもらえるようになって本当に感無量と言いますか、大変思い入れのあるタイトルなんです。サクラコさんとリュッカさんも大好きだし、彼女らもなんとか合流させたい。でも難しい。
……それって、権利的なこと?
そう、権利的なこと。でももしお許しが出るなら、なにを措いても真っ先に取り掛かりますね。その日が来ることを誰よりも願っているのは、産みの親であるディレクターとプランナーなんですよ。
まあ、子供みたいなもんだろうからねえ。
でもリュッカさんはともかく、サクラコさんのお話はまあ、よく怒られなかったな~……とは思いますね。
デバイスとかバリアジャケットとか。それだけならまだしも「シニカルサクラコ、始まります」って、それはダメでしょ~。
何事も節度だよなあ。
ディレクターが考えてるっぽい。
ホント同人だな。
いかにギリギリまでふざけるか、そればっかり考えてるんだって。
そのうち誰かに怒られるね。
真にふざけられる人だけが、真のおふざけができるとか。
出だしのピーマン話なみに意味わからん。
どーしてそれが出てくるのよー。
だからそれだよ。脈絡がない。
あるもん。
なにさ。
……ひみつ。
ないな。
あるもん! 次までに自分で考えといて。宿題よ。
そういったところで続きはまた今度ね。
え、どうしてさ! まだ2011年までしか聞いてないよ。
そのあとの十年が長いのです。ゲーム制作離れとか企業化とか子飼とかカレー屋とか。
……カレー屋? なんだそれ?
シエスタはそのあとカレー屋も開くんだけどね、もう年の瀬でみんな忙しいし、それはまた今度のお楽しみ。
楽しい話だといいけれど。
どうかしらねー……
さてそれではみなさま、本年中は大変お世話になりました。
来年もまた頑張って参りますので、シエスタと「よれちょふなは」を何卒、よろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします!
それではよいお年を~!
ディレクターのデザイン画をきれいにする苦労。